オーストラリアCentrelink福祉ガイド
Centrelinkはオーストラリア政府(Services Australia)が運営する福祉・手当のサービスです。オーストラリア在住外国人でも、ビザの種類や居住要件によって一部の支援を受けられることがあります。資格や金額は個人の状況によって異なり随時変わるので、申請前に必ず公式サイトでご自身の資格を確認してください。
このページは一般案内用であり、個別の資格判断に代わるものではありません。手当の種類・支給額・居住要件・待機期間は政府の政策によって頻繁に変更されます。申請の可否と正確な金額はServices Australia(servicesaustralia.gov.au)でご自身の状況に合わせて確認してください。
Centrelinkとは?
CentrelinkはServices Australia傘下の福祉支給機関で、所得支援・家族支援・学生支援など多様な手当を担当します。ほとんどの手当はオーストラリア市民権者や永住権者を基本対象としますが、一部の一時ビザ保持者も特定の条件で家族・危機支援などを申請できます。以下は代表的な手当タイプの概要です。
代表的な手当タイプ
- JobSeeker Payment — 求職中の人のための所得支援(居住・年齢・資格要件を満たす場合)
- Youth Allowance — 学生・見習い・求職中の若者向け支援
- Austudy — 正規の学業・見習い中の25歳以上のための学業支援
- Family Tax Benefit / Parenting Payment — 子どもを養育する家庭のための家族支援
- Rent Assistance — 適格な手当受給者に追加で支給される家賃補助
上記のリストは一部の例で、各手当の名称・資格・金額は変更される場合があります。どの手当がご自身に該当するかは、公式の「Payment and Service Finder」で確認するのが最も正確です。
居住要件と待機期間
居住要件(Residence requirements)
ほとんどの所得支援の手当はオーストラリアに居住(residing in Australia)していて、通常はオーストラリア市民権者または永住権者であることを求めます。一時ビザ(ワーホリ・学生・一部のブリッジングビザなど)の保持者は一般的な所得支援の資格がない場合が多いですが、子ども関連の家族支援や危機状況の支援など一部の項目は別の条件で申請できる場合があります。ご自身のビザで何が可能かは必ず公式に確認してください。
新規到着者の待機期間(Newly Arrived Resident's Waiting Period)
永住権を新たに取得した場合でも、一部の手当はオーストラリア到着(または永住権取得)後に一定期間が過ぎないと申請できない「新規到着者の待機期間」が適用されることがあります。待機期間の長さや対象となる手当は政策によって異なるので、正確な期間は公式案内で確認する必要があります。
- 適用される手当や免除対象は手当ごとに異なります(難民・人道ビザなど一部は免除の可能性)。
- 待機期間中でも可能な一部の支援(例:一部の家族支援)がある場合があります。
- 具体的な期間・免除要件は「Newly arrived residents waiting period」の公式ページで最新の内容を確認してください。
ビザの条件と手当の資格は密接につながっています。誤った情報で申請すると処理の遅延やビザへの影響が生じる可能性があるので、一時ビザの保持者は申請前にご自身の資格を公式チャネルで確認するのが安全です。
myGov連携
Centrelinkのオンラインサービスは、政府の統合ポータルであるmyGovを通じて利用します。myGovアカウントを作成した後、Centrelinkサービスを「連携(link)」すると、オンラインで申請・書類提出・支給履歴の確認ができます。スマホアプリ(myGov、Express Plus Centrelink)でも多くの手続きを処理できます。
myGovにCentrelinkを連携する
- my.gov.auでmyGovアカウントを作成またはログインします。
- サービス一覧から「Centrelink」を選んで連携します。
- 連携に必要な本人確認(例:CRNまたは直接の本人確認)を完了します。
CRN(Customer Reference Number)とは?
CRNはCentrelinkが発行する個人の顧客番号で、アカウントの連携や申請に使われます。CRNがなければmyGovで本人確認を通じて新たに発行するか、必要に応じてサービスセンターを訪問して発行できます。発行方法は公式案内を参考にしてください。
申請手続き
申請前に準備する書類
- パスポート・ビザ情報など、身元および居住資格の証憑
- Tax File Number(TFN)と銀行口座情報(BSB・口座番号)
- 所得・財産に関する資料(資産審査がある手当の場合)
- 申請する手当に応じて求められる追加の証憑(在学証明書、賃貸契約書など)
オンライン申請の流れ
通常はmyGovにログインしてCentrelinkを連携した後、資格に合う手当を選んで申請書を作成し、必要な書類をアップロードします。提出後は処理状況をオンラインで追跡でき、追加情報の依頼が来たら期限内に応答する必要があります。処理期間は手当や時期によって異なります。
情報を正確に申告することが重要です。所得・状況の変化があったら速やかに申告することで、過払いや債務の発生を避けられます。ご自身の状況についての判断が必要なら、Services Australiaに直接お問い合わせください。
状況別の支援(学生・求職・育児など)
正規の学業・見習い中の適格者は、年齢と資格に応じてYouth AllowanceやAustudyのような学業支援を申請できます(居住要件を満たす場合)。留学生ビザだけでは一般的に資格がない場合があるので、確認が必要です。
求職中の適格者はJobSeeker Paymentなどを通じて所得支援を受けながら、求職活動の義務(相互義務)を履行することになります。資格には居住・年齢・所得の要件があります。
子どもを養育する家庭は、Family Tax Benefit、Parenting Payment、Child Care Subsidyなどの家族支援を検討できます。一部の項目は一時ビザの家庭にも条件付きで適用される場合があります。
災害・家庭内暴力などの危機状況では、別途の危機支援や緊急支給が用意されている場合があります。資格と手続きは状況によって異なるので、最寄りのサービスセンターや公式案内で確認してください。
上記の分類は理解を助けるための一般案内であり、実際に申請できる手当や金額は個人の状況・ビザ・所得によって変わります。ご自身に合った支援は「Payment and Service Finder」で確認することを推奨します。
便利なリンク
- Services Australia (Centrelink)(新しいウィンドウで開く)
Services Australia Centrelinkの公式ページ — 手当の種類・資格・申請の案内
- myGov(新しいウィンドウで開く)
myGovポータル — アカウント作成およびCentrelinkサービスの連携
- Payment and Service Finder(新しいウィンドウで開く)
Payment and Service Finder — ご自身の状況に合った手当を探してくれる公式ツール
- Newly arrived residents(新しいウィンドウで開く)
Newly arrived residents waiting period — 新規到着者の待機期間の公式案内
- Multilingual services(新しいウィンドウで開く)
Information in your language — 複数の言語で提供されるServices Australiaの案内
Centrelink上級ガイド — 相互義務・審査のメカニズム・ビザ別の受給資格・オンライン申請の実務
基本ガイドで扱った手当の概要や申請手続きから一歩進み、実際の受給の過程で直面する相互義務、所得・資産審査、ビザ別の受給資格、待機期間、オンライン申請といった実務上のポイントを整理しました。金額や資格基準はすべて政府の政策によって随時変更されるため、最終的な判断は必ずServices Australia(servicesaustralia.gov.au)の公式案内を基準にしてください。
相互義務とJobSeeker受給条件の詳細
相互義務要件とは(Mutual Obligation Requirements)
JobSeeker Paymentおよび求職中のYouth Allowanceの受給者は、支給の対価として求職・就職準備活動を行う必要があり、これを「相互義務(Mutual Obligation)」と呼びます。活動は政府の雇用サービスであるWorkforce Australia(workforceaustralia.gov.au)のオンラインアカウント、または委託された雇用サービス提供機関(provider)を通じて管理されます。病気や介護など個人の事情によって要件が調整・免除される場合があるため、自分に課された要件は必ず本人のアカウントで確認してください。
初回面談と雇用計画(Job Plan)
受給が始まると、Workforce Australiaまたは提供機関との初回面談(initial appointment)を経て、求職応募の回数、教育・訓練への参加、面接への出席などを盛り込んだJob Planに合意・署名することになります。Job Planに同意しないと、支給が開始されない、あるいは停止されることがあります。約束(appointment)への無断欠席が最も多い支給停止の原因なので、日程変更が必要な場合は事前にアプリや電話で変更(reschedule)してください。
ポイント制の活動システム(Points Based Activation System, PBAS)
Workforce Australiaのオンライン利用者には、月単位のポイント目標を求職応募、教育の修了、面接への出席などさまざまな活動で満たしていく方式が適用されます。通常は月100ポイント前後の目標と最低限の求職応募回数が案内されますが、居住地域・育児・健康状態によって個人ごとに引き下げられることがあります。自分の正確な目標値と認定される活動のリストは、Workforce Australiaのアカウントで確認するのが確実です。
不履行時の制裁の仕組み(Targeted Compliance Framework)
要件を履行しないと違反点(demerit)が累積し、まず支給が一時停止(suspension)されますが、通常は要件を再び履行すれば解除されます。繰り返しの・故意の不履行と判断されると、減額や一定期間の支給取り消しにまで至ることもあります。病気や緊急の事情がある場合は、事前に提供機関やCentrelinkに知らせ、理由を記録として残しておくことで不利益を避けられます。
免除と義務の軽減(Exemptions)
病気(医師のMedical Certificateが必要)、子どもの養育、介護、家庭内暴力の被害、自然災害などの理由で、相互義務が一時的に免除されたり、活動量が軽減されたりすることがあります。免除は自動的には適用されず、証明書類を添えてCentrelinkに申請する必要があります。高齢の求職者など一部のグループは、ボランティア活動などで要件の一部を満たせる場合があるので、自分が該当するかどうかをServices Australiaで確認してください。
よくある失敗 — 報告日の未申告と無断欠席
支給サイクルごとに定められた報告日(reporting day)に所得と活動を申告しないと、そのサイクルの支給が保留されます。また、面談を欠席した後に連絡を先延ばしにすると停止期間が長引くため、欠席せざるを得ない事情が生じたら、すぐにアプリや電話で知らせることが重要です。「活動はしたが記録を残していなかった」場合も不履行として扱われることがあるので、求職応募の内容はアカウントにすぐ入力する習慣をつけましょう。
所得・資産審査と手当減額のメカニズム
所得審査の仕組み(Income Test)
所得支援の手当は2週間(fortnight)単位で所得を評価し、一定額までは減額なしで稼げる所得フリー区間(income free area)があります。これを超える所得については、区間に応じて1ドルあたり50セントまたは60セントずつ手当が減っていく逓減(taper)構造が一般的ですが、具体的な金額や区間は定期的に変更されます。配偶者(パートナー)の所得も合算して評価されるため、正確な影響はServices Australiaの各手当の「Income test」ページで確認してください。
資産審査(Assets Test)
資産の上限は、単身かカップルか、持ち家(homeowner)かどうかによって異なり、上限を超えると手当そのものが却下されることがあります。車、預金、投資資産などが評価の対象に含まれます。上限額は毎年調整されるため、本ガイドの数値ではなく、Services Australiaの「Assets test」ページの最新の数値を基準に判断する必要があります。
除外される資産 — 持ち家とスーパー(Exempt Assets)
居住中の持ち家(principal home)は資産審査から除外されるのが原則です。退職年金(superannuation)の積立金は、Age Pensionの受給年齢未満であれば通常は資産審査から除外されますが、年齢に達した後は含まれます。資産の分類が曖昧な場合は、Services Australiaが運営する無料の財務情報サービスFinancial Information Service(FIS)の相談を活用できます。
流動資産による待機期間(Liquid Assets Waiting Period)
現金・預金などすぐに使える流動資産が基準額を超えると、保有額に応じて最長13週間まで支給開始が遅れる待機期間が課されることがあります。「貯金が減るまで待ってから申請しよう」という判断はかえって不利になることがあるため、資格が生じたらまず申請し、待機期間の算定はCentrelinkの判断に委ねるほうが安全です。基準額や計算方法は公式ページで確認してください。
Working Creditと所得申告(Income Reporting)
働き始めても手当がすぐに全額停止されるわけではなく、働いていなかった期間に積み立てられたWorking Creditが勤労所得の一部を相殺し、減額を遅らせてくれることがあります。所得は毎回の報告日に正確に申告する必要があり、雇用主が国税庁(ATO)に提出するSingle Touch Payrollのデータと自動的に照合されます。過少申告が発覚すると過払い分が債務(debt)に転換され、返還しなければならなくなるため、「税引き前の総額(gross)」で申告するという原則を守ってください。
公式計算ツールの活用(Payment and Service Finder)
減額後に実際に受け取れる金額は、所得・資産・家族構成の組み合わせで決まるため、コミュニティで出回っている数値をもとに判断すると間違いやすくなります。Services AustraliaのPayment and Service Finderと、各手当ページの支給額(rates)の案内だけが、信頼できる唯一の基準です。ビザのステータスによって、同じ条件でも資格が変わりうる点も併せて確認してください。
一時ビザ保持者の支援ルートと特別な手当
Special Benefit — 最後の手段となる手当
Special Benefitは、他のどの所得支援手当の資格もなく、自分ではコントロールできない事情によって深刻な経済的困窮(severe financial hardship)に陥った人のための手当です。一部の一時ビザ保持者も、ビザの種類によっては申請できる場合がありますが、資産・所得審査が非常に厳しく、承認率は低めとされています。自分のビザで申請できるかどうかは、まずServices AustraliaのSpecial Benefitのページで確認してください。
Crisis Payment — 危機的状況での一時金
家庭内暴力の被害で住まいを離れざるを得なくなった場合や、災害で家を失った場合など、極端な状況で支給される一回限りの支援です。ただし、すでに所得支援手当を受給しているか、同時に受給資格があることが前提となるのが一般的で、すべての一時ビザ保持者に開かれているわけではありません。資格がなくても、下記のEmergency Reliefのような非政府ルートが残されているので、あきらめないでください。
Emergency Relief — ビザを問わないコミュニティ支援
Centrelinkの手当ではなく、Salvation Army、St Vincent de Paul Society、Anglicareなどの地域コミュニティ団体が、政府(Department of Social Services)の財政支援を受けて運営する食料品・バウチャー・少額の緊急支援です。ビザのステータスに関係なく助けを受けられることが多く、ワーキングホリデーや留学生にとって実質的なセーフティネットになります。近くの支援団体は、検索サービスAsk Izzy(askizzy.org.au)で探せます。
災害関連の支援(Disaster Recovery Payment / Allowance)
洪水や山火事など政府が宣言した災害の被災者には、一時金(Australian Government Disaster Recovery Payment)や短期の所得支援(Disaster Recovery Allowance)が運用されることがあります。通常は居住要件が適用されますが、災害によってはビザ保持者を対象とした特例(ex-gratia)支援が別途発表されることもあります。災害が発生した際は、Services Australiaの災害支援ページで、自分のビザで利用できる項目を確認してください。
家族支援が受けられる可能性(Family Tax Benefitなど)
家族支援は一般の所得支援とは居住要件の適用が異なるため、一部の一時ビザ(例:パートナー一時ビザ)の保持者がFamily Tax Benefitなどを受けられる場合があります。資格はビザのサブクラス単位で分かれるので、「一時ビザだから絶対に無理」と決めつけず、Payment and Service Finderで確認するのがよいでしょう。誤った情報で申請すると処理の遅れにつながることがあるため、ビザ情報は正確に記入してください。
居住要件の免除と特別なビザカテゴリー
難民・人道ビザ保持者(Refugee and Humanitarian Entrants)
永住の人道ビザ(humanitarian visa)で入国した人は、新規到着者の待機期間が免除され、到着直後から多くの所得支援手当を申請できます。さらに、内務省(Department of Home Affairs)が委託運営する定住支援プログラム(Humanitarian Settlement Program)を通じて、初期の定住サポートも受けられます。免除の可否はビザのサブクラスを基準に判断されるため、申請の際にはビザの証明書類を正確に提出してください。
パートナー一時ビザ(Partner Provisional, subclass 820/309)
永住段階前のパートナー一時ビザの保持者は、一般の所得支援の資格が限定的ですが、一部の家族支援や、困窮時にはSpecial Benefitが検討される場合があります。ただし、同じ「パートナービザ」でも、一時段階と永住段階(801/100)では資格の範囲が異なるため、現在保有しているサブクラスを基準に確認する必要があります。関係の破綻や家庭内暴力などの特別な状況では別途の保護規定が設けられている場合があるので、Services Australiaに直接問い合わせてください。
保証人制度への注意(Assurance of Support)
一部の家族移民ビザには、保証人(assurer)が一定期間、申請者の生計に責任を持つAssurance of Support(AoS)という条件が付きます。保証期間中に被保証人が特定のCentrelink手当を受け取ると、その金額が保証人の債務に転換され、政府に返還しなければならなくなることがあります。自分のビザにAoSが適用されるのか、どの手当が回収の対象になるのかは、申請前に必ず確認してください。
ニュージーランド市民(Special Category Visa, subclass 444)
ニュージーランド市民は入国時に自動付与される特別カテゴリービザ(SCV)で居住しますが、2001年2月26日より前に到着した「protected SCV」の保持者と、それ以降の到着者とでは手当の資格が異なります。それ以降に到着した人は利用できる手当が限られますが、2023年7月から開かれた市民権の直接取得ルートでオーストラリア市民権を取得すれば、資格が広がる可能性があります。自分がどちらのカテゴリーに当たるか、また手当ごとの資格は、Services Australiaのニュージーランド市民向け案内ページで確認してください。
ブリッジングビザ(Bridging Visa)
ブリッジングビザの保持者は一般的に所得支援手当の資格がなく、ごく限られたケースでSpecial Benefitなどが検討されうる程度です。ブリッジングビザの種類(A/B/C/E)や以前保有していたビザによって状況が変わるため、一律に判断するのは難しい領域です。永住ビザの審査待ちであれば、ビザ承認後に適用される待機期間の規定もあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
ビザタイプ別の資格早見表
おおまかな構図は次のとおりです — 市民権者・永住権者:受給可能(ただし新規到着者の待機期間が適用される場合あり)/難民・人道ビザ:受給可能(待機期間は免除)/パートナー一時ビザ:限定的(一部の家族支援・Special Benefitの検討)/ニュージーランドSCV:到着時期・市民権取得の有無により異なる/学生・ワーキングホリデー:一般の所得支援は不可(Emergency Reliefなど非政府ルートを活用)/ブリッジングビザ:ごく限定的。この表は理解を助けるための概要であり、実際の資格は手当・サブクラス単位で異なるため、公式での確認が必須です。
新規到着者の待機期間 詳細ガイド
待機期間の長さ(Newly Arrived Resident's Waiting Period, NARWP)
新規の永住権者に適用される待機期間は、かつての2年から段階的に延長され、現在は多くの手当について最長4年(208週間)まで適用されると案内されています。ただし、手当ごとに適用期間が異なり、政策変更も頻繁な領域なので、申請しようとする手当の正確な待機期間は、Services Australiaの「Newly arrived residents waiting period」ページで確認する必要があります。
期間の計算方法 — 居住期間の累積
待機期間は一般的に、オーストラリア居住者(Australian resident)の地位でオーストラリアに実際に居住した期間を累積して計算します。永住権取得前に一時ビザで居住した期間は通常算入されず、居住者になった後でも、長期の海外滞在期間は一部の手当で除外されることがあります。出入国記録は自動的に照合されるため、海外滞在が多かった場合は、自分の累積期間を事前に点検しておきましょう。
待機期間中でも受けられる支援
すべての支援が断たれるわけではありません — MedicareはCentrelinkの待機期間とは別の制度であり、一部の家族・保育支援は待機期間がないか、短く適用される場合があります。「4年間は何も受けられない」と決めつけて申請そのものをあきらめてしまうのが、最もよくある損です。待機期間中に利用できる項目は、Payment and Service Finderに自分の状況を入力して確認してください。
免除事由と審査の方式(Exemptions)
難民・人道ビザの保持者とその家族、またオーストラリア居住者になった後にひとり親になるなど、特定の状況変化が生じた場合は、一部の手当の待機期間が免除されることがあります。免除には別途の事前申請手続きがあるわけではなく、手当の申請(claim)時に併せて審査されるため、該当する事由がある場合は証明書類を申請書に添付することが鍵になります。免除対象となる手当と事由のリストは公式ページで随時更新されるので、最新の内容を確認してください。
よくある誤解 — 移民ルートによる違い
技術移民・家族移民・事業移民といった永住権の取得ルートそのものによって待機期間が変わるというより、居住期間の累積と手当の種類・免除事由が基準となる仕組みです。ただし、一部の家族移民ビザには別途の保証人制度(Assurance of Support)が付き、実質的な制約が加わることがあります。コミュニティで見かける「自分はすぐ受け取れた」という体験談は、ビザ・時期・手当が違えば自分には当てはまらないことがあるので、必ず公式の基準で判断してください。
myGov・CRN・オンライン申請の詳細プロセス
デジタル本人確認 — myID(旧myGovID)
政府のデジタルIDアプリであるmyID(2024年にmyGovIDから名称変更)を作成してmyGovに連携すると、オンラインで本人確認できる範囲が広がります。本人確認のレベル(identity strength)は登録した書類の水準によって分かれ、オーストラリアのビザが紐づいた外国のパスポートも認定書類として使える場合があります。レベルが高いほど、サービスセンターに足を運ばずにオンラインで処理できる手続きが増えます。
CRNのオンライン発行手続き(Customer Reference Number)
myGovにログインしてCentrelinkとの連携を開始すると、本人確認を経てCRNをオンラインで発行してもらう流れが一般的です。オンラインでの確認に失敗した場合は、身分証明書を持参してサービスセンターを訪問する必要がありますが、電話で連携コード(linking code)を受け取って連携する方法もあります。過去にCentrelinkを利用したことがあれば、CRNがすでに存在している可能性があるので、新しく作らず、まず既存の番号を探すのが先です。
本人確認書類の組み合わせ(Identity Documents)
Centrelinkの本人確認では、単一の書類ではなく複数の書類の組み合わせが求められます — 外国人の場合はパスポート+ビザ情報が中心で、オーストラリアの運転免許証、銀行のカード、賃貸契約書などが補助書類として使えることがあります。認められる書類のリストと組み合わせのルールは、Services Australiaの「Identity documents」ページにまとめられています。書類ごとに名前の表記が異なる(パスポートの英語表記と銀行口座の表記など)と確認が遅れることがあるので、表記を統一してください。
書類のアップロードと提出期限(Document Upload)
申請書を提出すると、オンラインアカウントの「Next steps」に、追加で提出すべき書類のリストと期限が表示されます。期限内に提出しないと申請が却下または取り消しとなり、最初から申請し直すことになりかねないため、期限が厳しい場合はあらかじめ延長が可能かどうかを問い合わせてください。Express Plus Centrelinkアプリで写真を撮影してアップロードできますが、ファイル形式・容量の制限に加え、文書全体が鮮明に写っているかの確認が必要です。
申請状況の追跡と連絡チャネル(Claim Tracker)
提出後は、オンラインアカウントの申請トラッカー(claim tracker)で進行状況を確認でき、追加情報の依頼はmyGovの受信箱(Inbox)に届きます。メール通知だけを見てmyGovの受信箱を開かず、期限を逃してしまうのがよくある失敗です。英語に不安がある場合は、Centrelinkの多言語電話131 202(母語での相談)や、通訳・翻訳サービスTIS National 131 450を通じて問い合わせることができます。
却下された場合の再審査手続き(Review of Decision)
申請が却下された場合や決定に納得できない場合は、無料で内部再審査(internal review)を請求でき、その結果にも不服があれば、行政審判機関であるAdministrative Review Tribunal(ART、旧AAT)に改めて審査を求めることができます。再審査の請求には期限が設けられている場合があるため、却下通知を受け取ったら先延ばしにせず手続きを確認してください。却下の理由が書類の不備であれば、再審査よりも書類を補完して再申請するほうが早い場合もあります。
よくある質問
ワーキングホリデービザでもCentrelink手当を受けられますか?▾
ワーキングホリデーなどの一時ビザ保持者は、ほとんどの一般的な所得支援の手当の資格がない場合が多いです。ただし子ども関連の家族支援や危機状況の支援など一部の項目は別の条件で可能な場合があります。ご自身のビザで何が可能かはServices Australiaで確認してください。
留学生も学業支援(Austudyなど)を申請できますか?▾
Austudy・Youth Allowanceのような学業支援は、一般的に居住要件を満たす市民権者・永住権者を対象とします。留学生ビザだけでは資格がない場合があるので、ご自身の状況は公式の資格確認ツールでチェックするのが正確です。
永住権を取ったらすぐに手当を申請できますか?▾
永住権取得後でも、一部の手当は「新規到着者の待機期間」が適用され、一定期間が過ぎないと申請できません。対象となる手当や期間は政策によって異なるので、公式案内で最新の内容を確認してください。
CRNはどうやって発行しますか?▾
CRN(顧客参照番号)はmyGovで本人確認を通じて新たに発行するか、必要に応じてCentrelinkサービスセンターを訪問して発行できます。発行方法は公式ページを参考にしてください。
申請はオンラインでだけ行うべきですか?▾
ほとんどの申請と管理はmyGovのオンラインまたはExpress Plus Centrelinkアプリで可能です。ただし本人確認や複雑なケースはサービスセンターの訪問や電話での問い合わせが必要な場合があります。
英語が難しいのですが、他の言語で助けてもらえますか?▾
Services Australiaは複数の言語による案内と通訳サービスを提供しています。「Information in your language」のページで、ご自身の言語の資料と通訳の連絡方法を確認できます。
手当の金額はどこで確認しますか?▾
支給額は手当の種類・所得・資産・個人の状況によって異なり、定期的に調整されます。正確な金額は本ガイドではなく、Services Australia公式サイトの該当手当のページで最新の数値を確認する必要があります。