オーストラリア保険ガイド
オーストラリアに居住する外国人(ワーホリ・留学・移民)が知っておくとよい主要な保険をまとめました。健康保険、自動車保険、旅行・賃貸保険の種類と比較・加入方法を扱います。以下の情報は一般的な案内であり、実際の保険料や補償内容は保険会社・商品・個人の状況によって変わります。加入前に各保険会社の商品説明書(PDS)と公式サイトで最新条件を必ず確認してください。
健康保険 (OVHC・OSHC)
オーストラリアは、外国人がビザの種類に応じて適切な水準の健康保険に加入するよう求める場合が多いです。留学生は通常OSHC、ワーキングホリデー・就労・その他の一時ビザ保持者はOVHCが一般的です。ご自身のビザ条件によって求められる事項が異なるので、ビザの案内文をまず確認してください。
Overseas Student Health Cover。学生ビザ(subclass 500)保持者が一般的に加入する健康保険で、通常はビザ期間全体を補償するよう求められます。GP診療、一部の病院・救急、処方薬の一部などを補償します。
Overseas Visitors Health Cover。ワーキングホリデー・就労など一時ビザ保持者のための健康保険です。補償範囲は商品ごとに差が大きいので、病院・救急・救急車・処方薬の含有有無を確認してください。
主な健康保険会社
上記は広く知られた保険会社の例であり、推薦ではありません。ビザ要件を満たすか、補償範囲、待機期間、保険料を比較した上で選んでください。政府の比較サイトと各保険会社の公式ページで最新情報を確認できます。
健康保険の補償項目・金額・待機期間は商品ごとに異なり随時変わります。歯科・眼科・理学療法などは基本商品に含まれない場合が多いです。加入前に商品説明書(PDS)を読み、ビザ要件を満たすか公式案内で必ず確認してください。本内容は医療助言ではありません。
自動車保険 (CTP・総合)
オーストラリアで車両を運行するには、対人賠償責任保険であるCTP(Compulsory Third Party、一部の州では「Green Slip」)が法的に義務です。それ以外の保険は任意ですが、事故時に相手・自分の車両の損害を補償してもらうには追加加入を検討するのが一般的です。CTPの運営方法や価格は州(NSW・VIC・QLDなど)ごとに異なります。
自動車保険の種類
| 種類 | 主な補償(一般的な例) |
|---|---|
| CTP (Green Slip) | 法的義務の保険。事故による他人の負傷・死亡(対人)に対する賠償を補償します。車両・財物の損害は補償しないのが一般的です。 |
| Third Party Property | 対物賠償。自分が加害者のときに相手の車両・財物の損害を補償します。自分の車両の損害は補償しません。 |
| Third Party Fire & Theft | 対物賠償に加えて、自分の車両の火災・盗難の損害まで一部補償する中間段階の商品です。 |
| Comprehensive | 総合保険。相手の損害はもちろん、自分の車両の事故・火災・盗難の損害まで幅広く補償します。保険料が最も高いですが補償範囲が広いです。 |
CTPの運営・料率と総合保険の補償・自己負担金(Excess)は州や保険会社ごとに異なります。運転歴、海外免許、年齢、居住地域によって保険料が大きく変わることがあります。加入前に複数の保険会社の見積もりを比較し、商品説明書を確認してください。
旅行・賃貸(テナント)保険
旅行保険
オーストラリア入国の初期や短期旅行の際に、医療費・手荷物・日程変更などを補償する旅行保険を検討できます。ただし長期居住者は旅行保険よりOVHC・OSHCなどの居住用健康保険のほうが適している場合が多いです。
- 海外(オーストラリア)滞在中の急な病気・けがに対する医療費の補償
- 手荷物の紛失・盗難、航空便の遅延・欠航に対する補償
- 危険なスポーツ・既往症などは補償から除外される場合が多いので、約款の確認が必要
- 長期居住の際は居住用健康保険(OVHC・OSHC)のほうが適しているか比較
賃貸(テナント)保険 — Contents Insurance
シェアハウス・賃貸居住の際に、本人所有の物品(ノートPC・家具・衣類など)を守るテナント用家財保険(Contents Insurance)を検討できます。賃貸建物自体は通常大家の保険でカバーされ、賃借人の個人物品は補償されない点に注意してください。
- 盗難・火災・浸水などによる個人の所持品の損害補償(商品ごとに差)
- 建物・作り付けの設備は大家の保険の領域で、賃借人の保険とは区別される
- シェアハウスの場合、共用スペース・ルームメイトの物品は補償範囲が制限される場合がある
比較・加入のヒント
保険は価格だけでなく、補償範囲・待機期間・自己負担金・除外項目も合わせて比較する必要があります。政府・独立機関が運営する比較サイトと各保険会社の見積もりツールを活用すると役立ちます。
比較・加入の際に確認する点
- 自分のビザ条件が求める保険の種類・最低補償水準をまず確認する
- 保険料だけを見ず、補償範囲・自己負担金(Excess)・待機期間を合わせて比較する
- 除外項目(Exclusions)と既往症・免許の条件を約款で念入りに確認する
- 複数の保険会社から見積もりを取り、政府・独立の比較サイトでクロスチェックする
- 加入後も毎年の更新時点で条件・保険料を再比較する
オンラインの比較サイトは提携した一部の保険会社のみ表示する場合があるので、複数の情報源を合わせて確認するのがよいです。保険は個人の状況によって適合性が変わるので、重要な決定は免許を持つ保険・財務の専門家や公式機関に問い合わせてください。本内容は金融助言ではありません。
知っておくとよい保険用語
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| Premium | 保険料。保険を維持するために定期的に支払う金額です(月/年単位)。 |
| Excess | 自己負担金。保険金請求の際に加入者が先に負担する金額です。Excessが高いほど保険料は低くなる傾向があります。 |
| Waiting Period | 待機期間。加入後に特定の補償を受けられるようになるまで待つ必要がある期間です(特に健康保険)。 |
| Claim | 保険金請求。事故・病気など補償事由が発生したときに保険会社に補償を求める手続きです。 |
| PDS (Product Disclosure Statement) | 商品説明書。補償内容・除外項目・条件をまとめた公式文書で、加入前に必ず読む必要があります。 |
便利なリンク(公式・公共機関)
- privatehealth.gov.au(新しいウィンドウで開く)
政府運営の民間健康保険の比較サイト — 補償項目・保険会社の比較
- Department of Health (Overseas cover)(新しいウィンドウで開く)
オーストラリア保健省 — 海外訪問者・留学生の健康保険(OVHC・OSHC)の案内
- MoneySmart (ASIC)(新しいウィンドウで開く)
ASICのMoneySmart — 保険の種類・選び方についての中立的な消費者案内
- Insurance Council of Australia(新しいウィンドウで開く)
Insurance Council of Australia — 保険の一般情報と災害時の請求案内
- AFCA (Financial complaints)(新しいウィンドウで開く)
AFCA — 保険・金融の紛争に対する無料の外部紛争解決機関
保険深掘りガイド — ビザ条件・州(State)ごとの違いから保険金請求・切り替えタイムラインまで
保険の種類ごとの基礎を超えて、ビザ条件の読み方、州(State)ごとの自動車保険の仕組み、保険金請求と紛争解決、滞在ステージ別の切り替えタイミングまで、実際の場面でつまずきやすいポイントを整理しました。具体的な条件や金額は頻繁に変わるため、必ず各機関・保険会社の公式案内で最終確認してください。
ビザの種類別・健康保険ロードマップ (Health Insurance Visa Roadmap)
ビザ付与通知書の条件8501を確認 (Visa Condition 8501)
多くの一時ビザには、「適切な水準の健康保険を維持すること(maintain adequate health insurance)」を求める条件8501が付くことがあります。ビザ承認時に受け取るビザ付与通知書(Visa Grant Notice)のConditions欄を確認し、紛失した場合はDepartment of Home AffairsのVEVO(Visa Entitlement Verification Online)で無料で照会できます。保険に空白期間ができるとビザ条件違反になり得るため、保険の満了日とビザの満了日をセットでカレンダーに記録しておくと安心です。
OSHCとOVHCの選び分け (Choosing Between OSHC and OVHC)
学生ビザ(subclass 500)にはOSHC、就労・卒業生・研修などその他の一時ビザ(482・485・407など)にはOVHCというのが一般的な組み合わせです。特に学生ビザから卒業生ビザ(485)へ切り替える際はOSHCの保障が終了するためOVHCへの乗り換えが必要になるケースが多く、ビザ申請の時点で保険加入の証明を求められることがあります。ブリッジングビザの期間中も保障が途切れないよう、現在の保険を延長できるかどうかを保険会社に事前に確認してください。
相互医療協定の対象国出身なら (Reciprocal Health Care Agreement)
オーストラリアは英国・アイルランド・ニュージーランド・イタリア・オランダなど11か国と相互医療協定(RHCA)を結んでおり、該当国での居住資格によってはServices Australiaで限定的なMedicare登録ができる場合があります。ただしRHCAは「医学的に必要な治療」を中心とした限定的な保障であり、ビザ条件8501の保険要件を代替できるかどうかはビザの種類によって異なるため、Department of Home Affairsの案内で確認が必要です。協定国出身でも歯科やextrasは保障されないので、別途保険の検討が必要になることがあります。
雇用主が手配する保険のチェックポイント (Employer-Arranged Health Cover)
雇用スポンサービザ(482など)では雇用主がOVHCを代わりに手配してくれることもありますが、ビザ条件を満たす責任は最終的にビザ保持者本人にあります。本人と帯同家族の名前が明記された保険証書(Certificate of Insurance)を自分で受け取って保管し、退職・転職の際に保障が即座に終了するのかどうか約款を確認してください。よくある失敗は、転職の合間の空白期間に保険が切れたまま滞在してしまうケースで、ビザ条件違反と無保険での医療費リスクが同時に発生します。
無保険でいることの実際のリスク (Costs of Being Uninsured)
Medicareの対象外の人は、公立病院の診療や入院も全額自己負担で請求され、救急車(ambulance)の料金もほとんどの州でMedicareとは別に課されます。未払いの医療費債務は今後のビザ申請・更新の審査で不利に働き得るという案内もあるため(個別の事情により異なります)、保障の空白を作らないことが原則です。保障の開始日は「支払日」ではなく証書に記載されたcover start dateが基準である点も確認してください。
自動車保険の州(State)比較マトリックス (CTP & Comprehensive by State)
州ごとのCTP購入方式を一目で (CTP Purchase Models by State)
NSWでは車両登録(rego)の前に民間保険会社からCTP(Green Slip)を別途購入する必要があり、VICではTAC(Transport Accident Commission)の保険料がregoに含まれて一緒に納付されます。QLDはregoの申請時にMAIC(Motor Accident Insurance Commission)承認の保険会社から1社を選ぶ方式で、WAはICWA(Insurance Commission of Western Australia)のMotor Injury Insuranceが、SAは承認保険会社の選択分がregoに含まれます。別の州へ引っ越すとCTPの仕組み自体が変わるため、車両の再登録の際にはゼロから確認し直してください。
NSWのGreen Slip比較とNominal Defendant (NSW CTP Essentials)
NSWでは、規制機関であるSIRA(State Insurance Regulatory Authority)が運営するGreen Slip価格比較ツールで保険会社ごとの見積もりを比較してから購入できます。無保険車やひき逃げ車両による人身被害はNominal Defendant制度が補償の窓口となり、QLDなど他の州にも同様の仕組みがあります。よくある失敗はregoの更新直前になってからGreen Slipを調べ始め、登録が切れてしまうケースで、NSWではCTPの購入がregoの前提条件です。
未登録車両の一時走行許可 (Unregistered Vehicle Permit)
登録が切れた車を購入した場合や検査場まで移動しなければならない場合は、各州の交通機関(Transport for NSW、VicRoadsなど)で短期の未登録車両走行許可(Unregistered Vehicle Permit)を取得でき、許可期間中のCTP保障が含まれるのが一般的です。許可日数・経路・条件は州によって異なります。許可なしで未登録車両を運転すると、罰金に加えて、事故時には他人のけがに対する賠償まで個人で背負うことになりかねません。
海外免許・運転歴と保険料 (Overseas Licence & Driving History)
海外免許で運転できる期間や現地免許への切り替え義務は、州とビザの状態(一時滞在か永住か)によって異なるため、各州の交通機関で確認が必要です。総合保険の保険料はオーストラリア国内の運転歴が短いと高めに設定される傾向がありますが、保険会社によっては本国の保険会社が発行した英文の無事故証明書を割引の算定に反映してくれることもあるので、見積もりの際に問い合わせてみる価値があります。免許条件に違反した状態(例:切り替え期限の超過)での事故は、保障を断られる可能性があります。
郵便番号・駐車環境で保険料が変わります (Postcode & Parking Rating)
総合保険の保険料は、居住地の郵便番号(都心か郊外か)、夜間の駐車場所(ガレージか路上か)、運転者の年齢・経歴、車種によって大きく変わります。引っ越し後に住所を更新しないと、告知義務違反としてクレームが減額・拒否されることがあるため、引っ越したらすぐ保険会社に知らせてください。引っ越し前に新住所で再見積もりを取っておけば、住む場所の選択によるコスト差も事前に把握できます。
健康保険のクレームと紛争解決 (Claims Process & Complaint Resolution)
入院・処置前の事前確認手続き (Pre-Approval & Eligibility Check)
私立病院への入院や歯科の大きな処置の前には、医師から受け取った処置の項目番号(MBS item number)と見積書を手元に、保険会社へ保障の可否と予想自己負担額(gap)を先に確認するのが標準的な流れです。病院や医師には、費用の事前告知(Informed Financial Consent)として書面の見積もりを求めることができます。よくある失敗は、事前確認なしに入院し、待機期間の未経過や保障対象外の項目を理由に全額自費で請求されるケースです。
請求の提出ルート (How to Lodge a Claim)
歯科・理学療法・メガネなどのextrasは、提携医療機関のHICAPS端末でその場で即時に払い戻しを受ける方法が最も手軽で、それ以外は保険会社のアプリや会員ポータルへのアップロード、メール・郵送での提出が一般的です。項目ごとの金額とprovider numberが記載された明細付き領収書(itemised receipt)でなければ処理されず、簡易領収書は差し戻されることがあります。請求の提出期限は商品ごとに決まっているので、受診後は先延ばしにせず提出してください。
代表的な却下理由 (Common Rejection Reasons)
最も多い却下理由は、待機期間(waiting period)の未経過、既往症(pre-existing condition)の判定、加入時の告知漏れ、保障対象外項目(exclusions)です。オーストラリアの民間健康保険における法定の最長待機期間は既往症・妊娠が12か月、それ以外はほとんどが2か月ですが、OSHC・OVHCは商品説明書(PDS)の条件が別に適用されるため個別の確認が必要です。たとえば加入6か月目に親知らずの手術を請求したところ、「major dentalは12か月待機」の条項で却下された、という事例が典型です。
紛争の窓口は保険の種類によって異なります (Ombudsman vs AFCA)
健康保険(OSHC・OVHCを含む)の紛争はCommonwealth Ombudsmanの民間健康保険オンブズマン(Private Health Insurance Ombudsman)機能が、自動車・家財・旅行保険など一般保険の紛争はAFCA(Australian Financial Complaints Authority)が担当します。どちらの場合も、第一段階として保険会社の内部苦情処理(Internal Dispute Resolution)を先に経る必要があり、保険会社は通常30日以内に回答する義務があります。解決しなければ外部機関へ無料で申し立てができますが、申立てには期限があるため、却下通知を受け取った日付を記録しておいてください。
クレーム書類チェックリスト (Claim Document Checklist)
健康保険では明細付き領収書・処方箋(prescription)・医師の診断書(medical certificate)・紹介状(referral)を、自動車保険では相手方の情報・現場写真・警察への届出番号(event number、盗難・ひき逃げの場合)を基本として準備します。電話で案内された内容は日付と担当者名を添えてメモし、却下された場合は必ず書面での理由(written reasons)を求めてください。この書面理由が、その後のオンブズマンやAFCAへの申立てにおける核心的な証拠になります。
保険料節約の実践テクニック (Insurance Cost Optimization Strategies)
ロイヤルティペナルティの点検 (Loyalty Penalty / New-Customer Pricing)
オーストラリアの保険市場では、既存顧客の更新保険料が同条件の新規加入見積もりより高く設定されることがあり、消費者団体が注意を呼びかけてきました。更新通知が届いたら同じ保険会社のウェブサイトで新規顧客向けの見積もりを取り、差があれば電話で価格の調整を求めてください。保険会社が解約防止のために調整に応じることもありますし、応じてもらえなければ乗り換えればよいだけです。
セット割引の両面 (Multi-Policy Discount)
自動車・家財(contents)・住宅の保険を1つの保険会社にまとめるとmulti-policy discountを受けられることが多くあります。ただし、セット割引後の総額が、各保険を最安の保険会社で別々に契約した場合より高くなることもあるため、必ず「セットの総額 vs 個別最安の合計」を比較してください。更新日が保険ごとにバラバラで比較が面倒な場合は、更新時期を同じ月にそろえておくと、毎年の一括再見積もりが楽になります。
年払い vs 月払い (Annual vs Monthly Payment)
多くの保険会社は月払い(instalment)に分割コストを上乗せしており、年間総額が年払いより高くなることがあります。見積もり画面で年払いの総額と月払い額×12を直接比較し、差が大きければ年払いを検討してください。月払いの途中で支払いに失敗し、保障が停止(lapse)してしまうケースもあるので、自動引き落とし口座の管理にも気を配る必要があります。
無事故割引の管理 (No-Claim Discount / Bonus)
自動車の総合保険は、無事故期間に応じて等級(rating)が上がり、保険料が割引される仕組みが一般的です。少額の損害については、請求による等級ダウンと今後の保険料の値上がり分を、自費での修理費用と比べたうえで請求するかどうかを判断するのが合理的です。一部の商品は追加費用で無事故等級の保護(protected no-claim bonus)オプションを提供しているので、約款で確認してください。
走行距離・運転者限定オプション (Low-Kilometre & Restricted Driver Options)
年間の走行距離が短いなら、低走行距離向けの商品や走行距離連動型(pay-as-you-drive型)のオプションで保険料を抑えられる場合があります。指定運転者の年齢制限による割引もよくありますが、制限に違反した状態での事故は保障を断られたり、追加の自己負担額を課されたりすることがあります。申告した走行距離や運転者の範囲は実態と一致するよう維持し、状況が変わったらすぐ保険会社に届け出てください。
クーリングオフと中途解約 (Cooling-Off & Mid-Term Cancellation)
一般保険は加入直後の一定期間(cooling-off period)内に取り消せば全額返金されることが多いため、より良い条件を見つけたらこの期間を活用できます。それ以降の中途解約は残り期間分の日割り返金(pro-rata)になりますが、解約手数料がかかることがあります。正確な期間と手数料は商品説明書(PDS)で確認し、新しい保険の保障開始日を合わせてから解約して、空白を防いでください。
特殊な状況別の保険 (Special Circumstances Insurance)
妊娠・出産の保障と待機期間 (Pregnancy & Birth Cover)
健康保険の妊娠・出産(obstetrics)保障には12か月の待機期間が適用されるのが通例で、妊娠が分かってから加入しても分娩費用は保障されない可能性が高くなります。Medicareの対象外の人は公立病院での出産も全額請求され得るため、出産の予定があるなら1年以上前から、出産保障を含む商品への加入を検討してください。保障の有無と待機期間はOSHC・OVHCの商品ごとに異なるので、PDSでの確認が必要です。
帯同家族の保険 (Dependant / Family Cover)
学生ビザ保持者が配偶者や子どもを帯同する場合、家族単位でのOSHC加入が求められるのが一般的で、保険料は単身加入よりかなり高くなります。オーストラリアで子どもが生まれた場合は保険に新生児を追加登録する必要がありますが、出生後の一定期限内に登録すれば待機期間なしで保障する条項を設けた商品もあるので、出産前に保険会社へ確認しておいてください。
大家になったら (Landlord Insurance)
不動産を貸し出す場合は、通常の住宅保険ではなく、家賃損失(loss of rent)・入居者による損傷(tenant damage)・公的賠償責任(public liability)を含むlandlord insuranceを検討するのが一般的です。短期宿泊型の賃貸には別の約款・商品が適用されることがあります。アパートなど集合住宅の建物自体はストラタ(strata)保険の領域なので、保障の重複や空白がないかも併せて確認してください。
自営業者の賠償責任保険 (Public Liability & Professional Indemnity)
公的賠償責任(public liability)は営業中に第三者の身体・財物へ与えた損害を、専門職賠償責任(professional indemnity)は専門サービスの過失や助言の誤りによる損害を保障する、それぞれ別の保険です。業種や資格によっては登録要件として保険加入が求められることがあるので、該当業界の規制機関で確認してください。個人事業主(sole trader)は本人が労災保険(workers compensation)の適用を受けられないのが一般的なため、所得補償保険(income protection)の検討が推奨されることもあります(州ごとに制度は異なります)。
ペットの医療費 (Pet Insurance)
動物病院の診療費はMedicareや健康保険とは関係なく全額自己負担で、手術など大がかりな治療は費用が相当な額になることがあります。pet insuranceにも待機期間と既往症の除外が人間の保険と同じ構造で適用されるため、若くて健康なうちに加入するほど除外項目が少なくなります。比較の際は、年間の保障上限、払い戻し率(benefit percentage)、品種ごとの除外疾患を確認してください。
出国前の保険の整理 (Insurance Wrap-Up Before Leaving Australia)
ビザの終了前にオーストラリアを完全に離れる場合、OSHC・OVHCの残存期間について日割り返金を申請できることがあり、航空券や出国の証明を求められるのが一般的です。帰国の旅程用の旅行保険は「オーストラリア発・オーストラリア帰着の往復」を前提とする商品が多いため、片道(one-way)でも保障されるかどうか確認が必要です。車は売却・登録抹消と併せてCTP・総合保険を解約し、二重払いを防いでください。
オーストラリア滞在ステージ別・保険切り替えガイド (Insurance Transition Timeline)
到着直後:保障の空白を作らない (First Weeks — No Coverage Gap)
OSHCはオーストラリア到着日から保障が始まるように加入する必要があり、開始日を学期初日に合わせてしまうと、入国から開講までが無保険の空白期間になります。OVHC対象のビザであれば出国前にオンラインで加入して到着日に保障開始を合わせ、手続きにタイムラグがある場合は短期の旅行保険でつなぐ(bridge)方法もあります。到着後は、保険会社のアプリのインストールと会員カード(デジタルカード)の発行まで済ませておきましょう。
定着期:家財保険のディテールを点検 (Settling In — Contents Insurance Options)
住まいが安定したら、ノートPC・自転車・楽器など高価な持ち物のリストを作り、家財保険を具体的に設計しましょう。基本の保障上限を超える高額品は個別明記(specified items)が必要で、家の外での紛失・盗難までカバーしたい場合は携行品(portable contents)オプションの追加が必要な商品が一般的です。居住形態(シェアハウスか単独賃貸か)を正確に告知しないと、請求の際に不利益を被ることがあります。
車の購入時:保険の引き継ぎを確認 (Car Purchase Checkpoint)
中古車は残りの登録(rego)とCTPが車両と一緒に引き継がれる州が多いものの、名義変更(transfer)は州ごとに定められた期限内に済ませる必要があります。総合保険・対物保険は引き継がれないため、車を受け取って運転して帰るその瞬間から別途の保障が必要です — 残金を支払う前に、電話やオンラインで先に加入しておきましょう。よくある失敗は「家まで運転するだけだから」と無保険のまま走り、事故を起こしてしまうケースです。
永住権の段階:Medicareへの移行 (Transition to Medicare)
永住権が承認されると — 一部のビザでは永住権の申請段階でも — Services Australiaを通じてMedicareの登録資格が生じることがあります。Medicareカードを受け取るとOVHCの必要性がなくなる場合が多いので、解約や残存分の返金が可能かどうか保険会社に問い合わせてください。資格の有無はビザの種類ごとに異なるため、Services Australiaの公式案内で確認するのが確実です。
Medicare登録後:LHCローディングと追加課税 (Lifetime Health Cover & Medicare Levy Surcharge)
Lifetime Health Cover(LHC)制度では、基準日(現行では31歳の誕生日以降の最初の7月1日)を過ぎてから民間の病院保険(hospital cover)に初めて加入すると、遅れた期間に応じて保険料の割増が付くことがありますが、新規移民にはMedicare登録日を基準とする猶予期間が認められています。また、所得が一定基準を超えているのにhospital coverがない場合は、Medicare Levy Surcharge(追加課税)が課されることがあります。正確な基準はprivatehealth.gov.auとATO(オーストラリア国税庁)で確認してください。
海外旅行・一時帰国時の保障の空白 (Coverage Outside Australia)
OSHC・OVHCはオーストラリア国内の診療を保障する保険のため、本国への一時帰国や第三国への旅行中の医療費は保障されないのが一般的です。Medicareも海外では適用されないため(RHCA協定国の一部例外を除く)、オーストラリアの外へ出るときは滞在ビザに関係なく別途の旅行保険が必要です。長期で出国する場合は保険料を一時停止(suspension)できる商品もあるので、出国前に保険会社へ問い合わせてみてください。
よくある質問
留学生ですが、どんな健康保険が必要ですか?▾
学生ビザ(subclass 500)保持者は、一般的にOSHC(Overseas Student Health Cover)にビザ期間全体にわたって加入するよう求められます。学校が特定の保険会社を案内する場合もあるので、入学案内とビザ条件を合わせて確認してください。正確な要件はビザの種類や時期によって変わる場合があります。
ワーキングホリデーも健康保険に必ず入るべきですか?▾
ワーホリビザは義務加入が明示されない場合が多いですが、オーストラリアは外国人の公的医療(Medicare)の適用が制限されるので、OVHCのような健康保険への加入を強く推奨します。医療費が非常に高くなることがあるので、事故・病気に備えるのが安全です。ご自身のビザ条件は公式案内で確認してください。
CTP(グリーンスリップ)保険だけあれば十分ですか?▾
CTPは事故による他人の負傷に対する義務保険にすぎず、車両・財物の損害は補償しないのが一般的です。相手や自分の車両の損害まで補償してもらうには、対物賠償・総合保険などの追加加入を検討するのがよいです。運営方法は州ごとに異なります。
保険はどこで比較するのがよいですか?▾
健康保険は政府運営の比較サイト(privatehealth.gov.au)、一般情報はASICのMoneySmartのような公共資料が中立的です。民間の比較サイトは提携保険会社のみ表示する場合があるので、複数の情報源を合わせて確認し、各保険会社の公式見積もりと照らし合わせるのがよいです。
Excess(自己負担金)とは何ですか?▾
Excessは保険金を請求するときに加入者が先に負担する金額です。Excessを高く設定すると保険料は下がりますが、事故時の自己負担が大きくなります。保険料と自己負担金のバランスを見て選んでください。金額・条件は商品ごとに異なります。
保険料が高すぎるのですが、どう減らせますか?▾
自己負担金の調整、不要な補償の除外、毎年の更新時の再比較、複数の保険会社の見積もり比較などが一般的な方法です。ただし補償が過度に減ると、いざ必要なときに補償を受けられないことがあるので、価格と補償のバランスを慎重に判断してください。本内容は金融助言ではありません。
保険会社と紛争が生じたらどうしますか?▾
まず保険会社の内部の苦情処理手続きを経て、解決しなければ無料の外部紛争解決機関であるAFCA(Australian Financial Complaints Authority)に助けを求められます。紛争に備えて、加入書類・通話記録・証書を保管しておくのがよいです。