家族を介護することになったとき — Carer Payment・Carer Allowance・Carer Gateway支援
家族を介護する人(carer)本人のための、オーストラリアの所得支援と無料サービス — Carer Payment・Carer Allowanceから、24時間の緊急respiteとコーチングを提供するCarer Gatewayまで、申請手続きを中心にまとめました。
概要 — 介護する人も支援の対象です
家族が突然病気になったり、障がい・高齢で日常的な介護が必要になると、介護する人本人の暮らしも大きく変わります。仕事を減らしたり辞めなければならないこともあり、心理的・経済的な負担が大きくなります。オーストラリアには、こうして家族・身近な人を介護する人(carer)本人を支援の対象とする制度が別にあります。大きく分けて、Centrelink(Services Australia)の所得支援給付と、政府が運営する無料の相談・respiteサービスであるCarer Gateway(1800 422 737)の二つの柱です。このガイドは、介護を受ける方ではなく介護する人を中心に据えています。英語に不安があっても無料通訳(TIS National 131 450)で、すべての手続きを進めることができます。
Carer PaymentとCarer Allowance — 性格の異なる二つの給付
介護者給付は大きく二つに分かれます。Carer Paymentは介護のために働けない人のための所得代替給付で、所得・資産審査を経る必要があり、他の所得支援と同時に受け取ることはできません。Carer Allowanceは日常的な介護に対する隔週の補助金で、条件が合えば賃金やCarer Paymentと併行できます。二つは別々の制度なのでそれぞれ申請し、どちらに該当するのかは個人の状況と審査によって異なります。
Carer Payment — 所得を代替する介護者給付
Carer Paymentは、深刻な病気・障がいがある人や高齢で衰弱した人を常時(constant care)介護するために働けない人のための所得支援です。他の年金と同程度の水準で支給され、所得・資産審査(means test)を経ます。重要なのは、この給付がJobSeeker・Age Pensionのような他の所得支援と相互排他的で、二つの所得支援を同時に受け取ることはできないという点です。所得・資産の上限と支給額は時期によって頻繁に変わるので、必ずServices Australiaの公式ページで確認してください。
被介護者(care receiver)側の審査もあります
Carer Paymentは介護する人だけでなく、介護を受ける人(care receiver)の状態や所得・資産も併せて審査します。介護の必要性の度合いは、担当医が作成する医療書類と介護の必要性の評価で判断します。したがって申請時には双方の情報がすべて必要になることがあります。
- 介護を受ける人の状態を証明する医師の所見書(medical report) — 担当医がServices Australiaの書式で作成
- 介護者と被介護者双方の所得・資産情報(means test用)
- 居住要件の確認 — 市民権・永住権などの身分および新規到着居住者の待機期間の該当有無
Carer Paymentは他の所得支援と同時に受け取ることはできませんが、後で説明するCarer Allowanceは条件が合えば併せて受け取ることができます。迷ったら申請前にCarer GatewayやServices Australiaに問い合わせてください。
資格・居住要件 — 何を確認すべきか
介護者給付は居住の身分に大きく左右されます。概ねオーストラリア市民権者・永住権者など居住要件を満たす必要があり、新しく来た居住者には新規到着居住者の待機期間(newly arrived resident's waiting period)が適用されることがあります。一時ビザ(ワーホリ・留学・就労)だけでは対象にならない場合が多いので、資格の有無をあらかじめ決めつけず、Services Australiaで個別に確認するのが安全です。以下は申請前に点検すべき項目です。
- 居住の身分 — 市民権・永住権など居住要件の充足有無と待機期間の適用有無
- 介護の程度・形態 — 常時介護(Carer Payment)なのか、日常的な介護(Carer Allowance)なのか
- 被介護者情報 — 介護を受ける人の医療状態と所得・資産(給付ごとに求められる範囲が異なる)
資格判定はServices Australiaのみが行います。AUWithは制度の枠組みだけを案内するもので、個人ごとの資格・再判定を代わりに判断することはしません。不確かな場合は無料通訳(131 450)とともにServices Australiaに直接問い合わせてください。
受けられる支援4つ
介護者向けの支援は大きく四つに分かれます。所得を代替する給付、日常的な介護の補助金、追加の支援金、そして無料の相談・respiteサービスです。自分の状況に合ったものを選んでそれぞれ確認してください。
常時介護のために働けない人のための所得支援。所得・資産審査を経て、他の所得支援とは同時受給不可。年金と同程度の水準で支給。
日常的な介護に対する隔週の補助金。条件が合えば賃金やCarer Paymentと併行可能。所得審査が適用され、審査方式はCarer Paymentとは異なります。
特定の介護者給付の受給者に毎年支給されるCarer Supplement(年一回の一時金)と、7歳未満の子どもの重病・重度障がい家庭のための一回限りのCarer Adjustment Payment。
1800 422 737 — 政府運営で無料。相談・コーチング・仲間の支援・オンライン講座・緊急respite・young carer支援。給付の受給有無とは無関係に利用。
申請・利用の段階別ヒント
はじめて申請する人が見落としがちな実務のヒントです。給付の申請と無料サービスの利用を併せて押さえると、負担を大きく減らせます。
- まずCarer Gateway(1800 422 737)に電話して、自分の状況にどの支援が合うのかを無料で相談してください。申請前に方向性をつかむのに大いに役立ちます。
- 医師の所見書を前もって準備してください。担当医がServices Australiaの書式を作成するのに時間がかかることがあり、申請遅延のよくある原因です。
- Carer PaymentとCarer Allowanceは別々にそれぞれ申請します。一つだけ申請してもう一つを見落とさないよう、両方の給付の条件をすべて確認してください。
- 英語に不安があれば無料通訳(TIS National 131 450)を依頼してください。電話・対面の申請と相談のすべての段階で通訳をつけることができます。
- 結果が却下されたり金額に異議があれば再審査(review)を求めることができます。期限があるので、通知文の案内を確認して遅れないように申請してください。
よくある誤解と失敗
介護者支援でよく出てくる誤解です。これらのために受けられる支援を見落とすことが多くあります。
- 「職場の介護休暇で十分だ」という誤解 — Fair Workのcarer's leave(有給/無給の労働休暇)とCentrelinkのCarer Payment・Allowance(所得支援)はまったく異なる制度です。二つは別々に併せて押さえてください。
- 「PaymentとAllowanceは同じもの」という誤解 — 性格が異なり、条件が合えばCarer AllowanceはCarer Paymentと併行できます。一つだけ知って済ませないでください。
- 「給付が受けられなければ何の支援もない」という誤解 — 給付の対象でなくても、Carer Gatewayの無料相談・コーチング・緊急respiteは誰でも利用できます。
- ネットの数字をそのまま信じる失敗 — 所得・資産の上限、支給額、相互排他ルールは頻繁に変わります。古いブログや知人の話ではなく、Services Australiaの公式ページの最新の値を確認してください。
- 一人で耐えて燃え尽きる失敗 — 介護者の燃え尽き(burnout)はよくあります。Carer Gatewayの相談・仲間の支援・respiteで少し休むこともまた介護の一部です。メンタルヘルスがつらければメンタルヘルス支援も併せて利用してください。
役立つ公式リンク
- Services Australia — Carer Payment(新しいウィンドウで開く)
Carer Paymentの資格・所得/資産審査・申請方法の公式案内(Services Australia)
- Services Australia — Carer Allowance(新しいウィンドウで開く)
Carer Allowanceの資格・所得審査・併行受給の公式案内(Services Australia)
- Carer Gateway (1800 422 737)(新しいウィンドウで開く)
無料相談・コーチング・仲間の支援・緊急respite・young carer支援(Carer Gateway、1800 422 737)
- Services Australia — Payments for carers(新しいウィンドウで開く)
介護者向け給付全体の概要とCarer Supplement・Adjustment Paymentの案内(Services Australia)
- TIS National — 무료 통역 (131 450)(新しいウィンドウで開く)
130余りの言語の無料電話通訳 — 申請・相談時に依頼(TIS National、131 450)
よくある質問
Carer PaymentとCarer Allowanceはどう違いますか?▾
Carer Paymentは、介護のために働けなくなった人のための所得代替給付で、所得・資産審査(means test)を経る必要があり、JobSeeker・Age Pensionなど他の所得支援と同時に受け取ることはできません。Carer Allowanceは日常的な介護に対する隔週の補助金で、条件が合えば賃金やCarer Paymentと併せて受け取ることができます。二つの給付は別々の制度なので、それぞれ申請して条件を確認し、正確な資格はServices Australiaで判定を受けてください。
職場のcarer's leave(介護休暇)と同じものですか?▾
いいえ。職場で使うcarer's leaveは、Fair Work・NESが保障する有給/無給の介護休暇で、雇用主が提供する労働条件です。一方、Carer Payment・Carer AllowanceはCentrelink(Services Australia)が支給する所得支援給付で、まったく異なる制度です。職場の休暇については労働休暇(休暇・年次休暇)ガイドを、介護者の所得支援についてはこのガイドを参照してください。
一時ビザ(ワーホリ・留学・就労)でも受け取れますか?▾
介護者向けの給付は概ね居住要件(市民権・永住権など)と新規到着居住者の待機期間(newly arrived resident's waiting period)に左右され、一時ビザだけでは対象にならない場合が多くあります。ただし資格判定の基準は時期や個人の状況によって異なるため、あらかじめ決めつけずServices Australiaで直接確認してください。給付の対象でなくてもCarer Gatewayの無料相談・respiteは利用できます。
Carer Gatewayは何を助けてくれますか?▾
Carer Gateway(1800 422 737)は政府が運営する無料の全国サービスで、電話・対面の相談(counselling)、コーチング、仲間同士の支援の集まり(peer support)、オンラインのスキル講座、そして突発的な状況のための緊急respite(短期の代替介護)を提供します。給付の受給有無に関わらず誰でも利用でき、無料通訳にもつないでもらえます。
幼い子どもや学生も介護者になれますか?▾
はい。25歳以下が家族を介護する場合をyoung carer(若年介護者)といい、Carer Gatewayが学業・メンタルヘルス・仲間の支援など別途のプログラムを提供します。また、7歳未満の子どもが重大な病気・障がいの診断を受けたものの所得支援の対象にならない家庭のための一回限りのCarer Adjustment Paymentもありますので、Services Australiaで確認してください。
Carer Supplementは別途申請が必要ですか?▾
Carer Supplementは毎年(おおむね7月ごろ)特定の介護者給付の受給者に支給される年一回の一時金で、別途の申請が不要な場合が一般的です。支給の対象・時期・金額は年によって変わることがあるので、Services Australiaの最新の案内を確認してください。
高齢者介護・NDISサービスとはどうつながりますか?▾
このガイドは介護する人(carer)本人の所得支援と支援サービスについてのものです。介護を受ける方のためのサービスは別に、高齢の方はMy Aged Care(高齢者介護ガイド)、障がい当事者はNDIS(障がい支援ガイド)で扱います。介護者給付と被介護者向けサービスは併せて利用でき、respiteも両方の角度から支援されます。