雇用主スポンサー就労・永住ビザ — Skills in Demand(482)& ENS(186)
オーストラリアの雇用主のスポンサーで働き、永住権まで続くルートを2024年の大改正基準でわかりやすく整理しました。
概要 — 雇用主スポンサービザとは?
オーストラリアの雇用主スポンサービザは、オーストラリアの雇用主が外国人労働者を特定の職業で採用するためにスポンサー(sponsor)するビザです。代表的なものに、臨時就労ビザであるSkills in Demand(subclass 482)と、永住ビザであるEmployer Nomination Scheme(subclass 186)があります。2024年12月7日の大改正で、従来の TSS(Temporary Skill Shortage)482 が Skills in Demand ビザに変わり、ストリーム・所得・職歴の要件が大きく変わりました。
臨時(482)と永住(186)の区分
482(Skills in Demand)は最大4年まで働ける臨時ビザで、承認された雇用主のもとで指名された職業に従事します。186(ENS)は最初から永住権を与えるビザで、すでに 482 などで働いてきた人が移行する Temporary Residence Transition(TRT)ストリームと、海外・新規で直接申請する Direct Entry ストリームがあります。多くの人が 482 で働いた後、186 で永住権を得るルートを歩みます。
申請手続きと主要な要件
雇用主スポンサービザは3段階の構造で進みます。第一に雇用主が承認された sponsor になり、第二に特定の職位を指名(nomination)し、第三に労働者がビザを申請します。指名とビザ申請は同時に提出できます。
誰が何をするのですか?
sponsor の承認と指名は雇用主の役割であり、所得基準(年収)・職業リストへの適合も雇用主が満たさなければなりません。労働者は職歴・英語・skills assessment・健康・身元の要件を備えてビザを申請します。指名職業はCore Skills Occupation List(CSOL)など関連する職業リストになければならず、支払われる年収は所得基準(例:Core Skills Income Threshold)と市場賃金率以上でなければなりません。
- 雇用主が承認された sponsor(Standard Business Sponsorship)かどうかを確認
- 指名職業が CSOL など関連する職業リストにあり、年収が該当する所得基準以上かどうかを確認
- 本人の職歴・英語・skills assessment 要件を満たしているかどうかを確認
所得基準・職業リスト・職歴要件は2024〜2025年の大改正で頻繁に変わります。旧 TSS の基準をそのまま当てはめず、必ず Home Affairs の最新情報を確認してください。
資格要件と準備書類
労働者が備えるべき代表的な要件は関連する就労経験、英語能力、必要な場合の skills assessment(技能審査)、健康・身元です。改正で職歴要件は緩和(例:1年)されましたが、職業・ストリームによって異なるため個別の確認が必要です。
- パスポート・身分書類、直近5年以内の関連する就労経験の証明、学歴・資格の書類
- 職業・ストリームで求められる場合、skills assessment(関連する審査機関)の結果
- 英語のスコア(IELTS など)、指定病院での健康診断、無犯罪経歴証明(penal clearance)
海外で発行された書類はNAATI 公認翻訳が必要な場合があります。skills assessment は処理に時間がかかるため、早めに申請するのがよいでしょう。
ビザの種類・ストリーム4つ
雇用主スポンサービザはストリームによって要件が異なります。臨時(482)の3つのストリームと永住(186)を整理すると次のとおりです。
指名職業がCore Skills Occupation List(CSOL)にあり、年収が Core Skills Income Threshold(CSIT、導入時 AUD 73,150)以上でなければなりません。最も一般的なストリームです。
年収がSpecialist Skills Income Threshold(SSIT、導入時 AUD 135,000)以上の高所得の専門・管理職が対象です。職業リストの制限がない代わりに、一部の職種(技能・機械操作・労務など)は除外され、優先処理の対象として案内されます。
政府と労働協約(Labour Agreement)を結んだ雇用主が、協約の条件に従ってスポンサーする場合です。協約ごとに職業・要件が異なります。
永住ビザで、スポンサー雇用主のもとで一定期間就労した後に移行するTemporary Residence Transition(TRT)と、直接申請するDirect Entryストリームがあります。申請時に満45歳未満などの条件があります。
段階別チェックリスト
申請の前後で確認しておくとよい実務的なポイントです。
- 雇用主とストリーム・指名職業・年収を事前に明確に合意してください。
- 指名職業のANZSCO コードと職業リストへの掲載有無を正確に確認してください。
- skills assessment は処理期間が長い場合があるので、できるだけ早く申請してください。
- 海外書類はNAATI 公認翻訳を準備し、ImmiAccount のアカウントを事前に開設してください。
- 186 への移行を念頭に置くなら、就労期間・年齢(満45歳)・英語の要件を早めに管理してください。
よくある失敗と注意事項
次の失敗はビザの遅延・却下や金銭的被害につながることがあるので、特に注意してください。
- 「永住権100%保証」を掲げる無登録ブローカーを信じないでください。誰も結果を保証することはできません。
- 所得基準・職業リストを旧 TSS の基準と誤解するケースが多くあります。2024年の改正以降の基準を確認してください。
- 職歴・英語の証明が不十分だと、指名・ビザの審査が遅延したり却下されたりすることがあります。
- 雇用が終わった後に代わりの sponsor を探せる期間(例:最大180日)の管理をおろそかにしないでください。
- 年齢・就労期間の要件を早めに整えておかず、186 への移行時期を逃すケースがあります。
役立つ公式リンク
- Home Affairs — Skills in Demand (subclass 482)(新しいウィンドウで開く)
Skills in Demand(subclass 482)ビザの要件・ストリームの公式案内
- Home Affairs — Employer Nomination Scheme (subclass 186)(新しいウィンドウで開く)
Employer Nomination Scheme(subclass 186)永住ビザの公式案内
- Home Affairs — 기술직업목록(Skilled occupation lists)(新しいウィンドウで開く)
指名職業が含まれる技術職業リスト(CSOL など)の確認
- OMARA — 등록 이민사 확인(新しいウィンドウで開く)
OMARA 登録移民コンサルタントの確認 — 無登録ブローカーの予防
- Fair Work Ombudsman(新しいウィンドウで開く)
賃金・労働条件など労働者の権利に関する情報(Fair Work Ombudsman)
よくある質問
以前の TSS 482 ビザはなくなったのですか?▾
番号自体はそのまま subclass 482 ですが、2024年12月7日から名称と内容が Skills in Demand(SID)ビザに変わりました。Core Skills・Specialist Skills などのストリームや所得・職歴要件が改編されたので、最新の基準は Department of Home Affairs でご確認ください。
関連する就労経験は何年必要ですか?▾
大改正で要件が緩和され、最低1年(関連分野の正社員またはこれに準ずる職歴)程度とされています。認められる期間・算定方法はストリームや職業によって異なるため、公式サイトと登録移民コンサルタントを通じてご確認ください。
年収(所得)の基準はいくらですか?▾
改正導入時点の基準で、Core Skills Income Threshold(CSIT)はAUD 73,150、Specialist Skills Income Threshold(SSIT)はAUD 135,000でした。この金額は毎年7月1日に調整(indexation)され、実際に支払われる年収は市場賃金率(market salary rate)以上でなければならないため、現在の数値は必ず Home Affairs でご確認ください。
482 でどのくらい働けば永住権(186)に進めますか?▾
Employer Nomination Scheme(subclass 186)の Temporary Residence Transition(TRT)ストリームは、改正によりスポンサー雇用主のもとで2年間就労へと緩和されたとされています。年齢・英語・健康など別途の要件があり、状況ごとに異なるため登録移民コンサルタントとご確認ください。
年齢制限はありますか?▾
臨時ビザである 482(SID)には特に年齢上限はありません。ただし永住ビザである186 は申請時に原則として満45歳未満でなければならず、一部例外があります。詳しい条件は公式サイトでご確認ください。
雇用主(sponsor)なしでも申請できますか?▾
いいえ。482・186 は承認された雇用主の指名(ノミネーション)が必ず必要なスポンサービザです。スポンサー雇用主がいない場合は、独立・州政府技術移民(例:subclass 189/190/491)など別のルートを個別に検討する必要があります。
移民コンサルタント(migration agent)は必ず使わなければなりませんか?▾
法的に必須ではありませんが、ストリーム・職業リスト・書類の判断が複雑なため、OMARA に登録された移民コンサルタントや移民弁護士の助けを借りるのが安全です。「永住権保証」といった文言を使う無登録ブローカーは避けてください。