ブリッジングビザ(A・B・C・E)のご案内
ビザが失効したのに新しいビザの決定がまだ出ていないとき、オーストラリアに「合法的に」滞在できるようにしてくれるのがブリッジングビザ(Bridging Visa)です。種類(A・B・C・E)によって、就労する権利や海外旅行の可否が大きく異なります。
本記事はオーストラリアに居住する外国人のための一般情報であり、法律・移民に関する助言ではありません。ビザの種類・手数料・条件・処理期間は頻繁に変わり、個人の状況によって異なります。決定の前には必ずオーストラリア内務省(Department of Home Affairs)の公式サイト immi.homeaffairs.gov.au でご自身のビザを確認し、複雑な事案は登録移民代理人(registered migration agent)または移民専門の弁護士にご相談ください。
ブリッジングビザとは何ですか?
ブリッジングビザ(Bridging Visa)は、それ自体がオーストラリアに定住するためのビザではありません。既存のビザ(substantive visa)が終わりかけているのに、新しいビザ申請の結果や審査(review)がまだ出ていない「合間の期間」、オーストラリアに合法的に(lawfully)滞在できるようにする一時的な橋(bridge)の役割を果たします。
- 例:学生ビザが失効する前にオーストラリア国内で(onshore)新しいビザを申請すると、結果が出るまでブリッジングビザで合法滞在が続きます。
- 種類は通常A・B・C・Eの4つに分かれます — 英語では Bridging Visa A/B/C/E、subclass 番号では 010 / 020 / 030 / 050 です。
- どのブリッジングビザを受けるかは自分で選ぶのではなく、新しいビザを申請した時点の滞在状態(合法滞在だったか、すでに不法滞在だったか等)によって自動的に決まります。
重要なのは、種類ごとに就労する権利(work rights)と海外旅行の可否が異なる点です。この違いを知らずに出国し、オーストラリアに再び入国できなくなるのが、最もよくある事故です。
A・B・C・E を一目で比較
4種類のブリッジングビザの要点をまとめると次のとおりです。ご自身がどの種類をお持ちかは VEVO(Visa Entitlement Verification Online)またはビザの grant 通知書で確認できます。
Bridging Visa A(BVA・subclass 010)
合法滞在中にオーストラリア国内で新しいビザを申請すると通常自動的に受け取る、最も一般的な種類です。
- 海外旅行:不可 — 出国するとビザが消滅します。
- 就労権:直前のビザの条件を引き継ぐ場合が多いですが、保証ではありません。
Bridging Visa B(BVB・subclass 020)
BVA を持つ人が海外に行って戻る必要があるときに別途申請する種類です。
- 海外旅行:可能 — 定められた「travel period」内で出国・再入国できます。
- 申請料があり(公式サイトで確認)、事由と日程を提出する必要があります。
Bridging Visa C(BVC・subclass 030)
申請当時に合法滞在ビザがなかった人などに付与される種類です。
- 海外旅行:不可 — 出国時にビザ消滅、BVB に切り替えて旅行することも不可です。
- 就労権:原則なし(condition 8101)— 経済的困難などを証明して別途申請する必要があります。
Bridging Visa E(BVE・subclass 050)
すでに不法滞在(unlawful)状態になった人が、ビザ申請・審査・出国準備などの手続きを進める間に受ける種類です。
- 海外旅行:不可 — 出国時にビザが消滅します。
- 申請料:無料ですが、就労・移動に制約(reporting 条件など)が付く場合が多いです。
最もよくある誤解 — 出国すると再入国できません
出国前に必ず確認してください
BVA・BVC・BVE には海外旅行の権利がありません。このビザだけを持った状態でオーストラリアを離れると、出国した瞬間にビザが自動的に消滅(cease)し、そのブリッジングビザではオーストラリアに再び入国できません。進行中だった新しいビザ申請も危うくなることがあります。
- 海外にどうしても行く必要があるなら、出国前にまず Bridging Visa B(BVB)を申請して取得しなければなりません(下記5番参照)。
- 家族の緊急事態のような急ぎの事情があっても、出国前に BVB なしで離れると救済の方法は事実上ありません。
- ご自身のビザに正確にどのような旅行・就労条件が付いているかは VEVO で確認するか、内務省(131 881)にお問い合わせください。
- 判断が難しい場合は、出国日程を決める前に登録移民代理人に先に相談する方が安全です。
ブリッジングビザで働けますか?
就労する権利(work rights)はすべてのブリッジングビザに自動的に付くわけではありません。種類と直前のビザの条件によって異なります。
- BVA(010):直前のビザに就労権があったなら同じ条件を引き継ぐ場合が多いです。ただし自動保証ではなく、個別審査で決まります。
- BVC(030)・一部の BVE(050):原則として働けない(8101 — no work)場合が多いです。働くには経済的困難(financial hardship)などを証明して就労条件の付与を別途申請する必要があります。
- ご自身のビザに condition 8101(就労不可)または 8104/8105(時間制限)のいずれが付いているかを VEVO で必ず確認してください。
- 就労権がない状態で働くと、ビザや今後の申請に不利益が生じることがあります。あいまいな場合は働き始める前に確認するのが安全です。
なお、就労権の有無にかかわらず、いったん働くことになれば、賃金・労働条件に対するオーストラリアの労働保護は同じように適用されます(下記8番「職場の問題の申告」ガイド参照)。
海外に行く必要があるなら — Bridging Visa B の申請
BVA を持った状態で海外に行く必要があるなら、出国前に Bridging Visa B(BVB・subclass 020)を申請しなければなりません。
- BVB は定められた「travel period」(旅行許可期間)内でオーストラリアを離れて再び入国できるようにします。
- 申請時に旅行の事由と日程を提出し、内務省が許可期間を定めます。通知書に記された travel period を必ず確認してください。
- 申請料があります(金額は変動するので公式サイトで確認)。処理に時間がかかるため、出国日程より余裕をもって申請するのがよいです。
- BVC・BVE 保持者は BVB に切り替えて旅行することはできません。
travel period が終わる前にオーストラリアへ戻ってください
BVB の travel period が満了するときにオーストラリアの外にいると、ビザが失効して再び入国できません。航空便の遅延・延長の可能性まで考慮し、期間内に余裕をもって帰国し、日程が変わる場合はあらかじめ内務省にお問い合わせください。
ビザがすでに切れてしまったら — Bridging Visa E
ビザが失効したのに新しい申請もしておらず不法滞在(unlawful non-citizen)状態になったなら、そのままにせず、できるだけ早く手続きを進めることが重要です。このとき付与されるのが Bridging Visa E(BVE・subclass 050)です。
- BVE は新しいビザ申請・審査(review)・大臣介入(ministerial intervention)の要請・自発的出国の準備など、ご自身の状況を整理する間、合法滞在を回復させてくれます。
- 申請料は無料です。ただし定期報告(reporting)や就労制限のような条件が付く場合が多いです。
- 海外旅行は不可で、出国するとビザが消滅します。
- 不法滞在期間が長くなると、今後のビザ・再入国に不利益(例:一定期間の入国制限)が生じることがあるため、放置せず登録移民代理人や移民専門の弁護士への相談をお勧めします。一部の地域には無料の法律支援(community legal centre)もあります。
英語が難しいとき — 無料通訳(TIS National)
ビザの問い合わせは英語で行われますが、英語が不便だからとあきらめる必要はありません。オーストラリア政府は無料通訳サービスを運営しています。
電話通訳 — TIS National 131 450
- TIS National 131 450に電話して希望する言語の通訳を依頼し、内務省など接続したい機関を伝えると、通訳を介して通話できます(利用者無料)。
- 内務省の一般問い合わせは 131 881(月~金 9am–5pm)、海外からは +61 2 6196 0196 です。
- ビザの種類・条件は、ご自身のアカウントの VEVO で直接照会するのが最も早く正確です。
複雑な事案は登録移民代理人へ
ビザが切れた、あるいは申請が却下されて審査で争うなど複雑な状況なら、登録移民代理人(registered migration agent)の資格を OMARA(Office of the MARA)で確認したうえでご相談ください。資格のない人による有料の移民助言は違法な場合があるので注意が必要です。
公式出典リンク
- Bridging visa A (BVA) — subclass 010(新しいウィンドウで開く)
Bridging visa A(010)— 最も一般的なブリッジングビザ、就労条件・旅行制限の案内(公式)。
- Bridging visa B (BVB) — subclass 020(新しいウィンドウで開く)
Bridging visa B(020)— 海外出国・再入国用、travel period・申請料の案内(公式)。
- Bridging visa C (BVC) — subclass 030(新しいウィンドウで開く)
Bridging visa C(030)— 原則就労制限、旅行不可などの条件案内(公式)。
- Bridging visa E (BVE) — subclass 050(新しいウィンドウで開く)
Bridging visa E(050)— 不法滞在の回復用、無料・条件の案内(公式)。
- Travel on a bridging visa(新しいウィンドウで開く)
Travel on a bridging visa — ブリッジングビザで出国・再入国する際の規定の総合案内(公式)。
- Department of Home Affairs (131 881)(新しいウィンドウで開く)
Department of Home Affairs 一般問い合わせ 131 881 / 通訳 TIS 131 450 — ビザ総合ポータル。
上記の情報はオーストラリア内務省(Department of Home Affairs)の公式案内に基づく一般的な要約です。ビザの種類・手数料・条件・処理期間は随時変わるため、申請・出国の前には必ず immi.homeaffairs.gov.au で最新の内容を確認し、ご自身の状況は VEVO または登録移民代理人を通じて検証してください。
よくある質問
ブリッジングビザでちょっと海外に行ってきてもいいですか?▾
種類によって異なります。BVA・BVC・BVE には海外旅行の権利がなく、出国した瞬間にビザが消滅し、そのビザではオーストラリアに再び入国できません。海外に行く必要があるなら、出国前にまず Bridging Visa B(BVB)を申請して取得しなければなりません。
ブリッジングビザを受けると働けますか?▾
自動的に保証されるわけではありません。BVA は直前のビザの就労条件を引き継ぐ場合が多いですが保証ではなく、BVC と一部の BVE は原則として就労が制限(8101)されます。ご自身のビザにどの condition が付いているかを VEVO で確認し、就労権がなければ働く前に条件変更を申請する必要があります。
BVA と BVB は何が違いますか?▾
BVA(010)はオーストラリア国内で新しいビザを申請すると通常自動的に受け取る基本のブリッジングビザで、海外旅行は不可です。BVB(020)は BVA 保持者が海外に行くために別途申請するビザで、定められた travel period 内で出国・再入国が可能です。travel period が終わるときにオーストラリアの外にいると再び入国できないので注意してください。
BVC は就労も旅行も両方ダメなのですか?▾
BVC(030)は原則として就労が制限(8101)され、働くには経済的困難などを証明して別途申請しなければなりません。海外旅行も不可で、BVB に切り替えて旅行することも認められません。正確な条件はご自身のビザの VEVO 記録と内務省の案内で確認してください。
ビザがすでに切れてしまったのですがどうすれば? BVE は高いですか?▾
ビザが失効して不法滞在状態になったなら、放置せずできるだけ早く手続きを進めるべきです。このとき付与される Bridging Visa E(BVE・050)は申請料が無料で、新しいビザ申請・審査・出国準備などを整理する間、合法滞在を回復させてくれます。ただし報告・就労制限の条件が付くことがあり、今後のビザに影響することもあるため、登録移民代理人や移民専門の弁護士への相談をお勧めします。