オーストラリアの浸水(洪水)リスクを確認する方法 — 引っ越し・賃貸・購入の前に政府公式地図で確認
住まいを賃貸したり購入したりする前に、その住所が過去に浸水したことがあるか、洪水リスク区域かどうかを政府公式地図で確認する方法です。下の検索で州(state)を選ぶと、その州の公式浸水地図につながります。浸水地図の3種類(過去の範囲・リスク区画・リアルタイム警報)の違い、地図の読み方、契約前に追加で確認すべき事項をまとめました。AUWithは安全かどうかを判定しません。必ず公式地図でご自身で確認してください。
なぜ浸水リスクを確認するのか
オーストラリアは洪水が多い国です。2022年の東部大洪水のような河川氾濫(riverine)だけでなく、短時間の激しい豪雨で市街地の道路や住宅が水に浸かる突発洪水(flash flood、鉄砲水)もよくあります。住まいを賃貸したり購入したりする前に、その住所が過去に浸水したことがあるか、洪水リスク区域に指定されているかを確認すれば、保険料・安全・資産を守ることができます。幸い、各州政府と地方議会(council)が無料の公式浸水地図を公開しています。このガイドでは、その地図をどこで探し、どう読むのかを案内します。
このガイドでできること・できないこと
このガイドでは、お住まいの地域の公式浸水地図を探し、地図の表示を理解し、契約前に何を追加で確認すべきかを知ることができます。ただし、AUWithは特定の住所が『安全か危険か』を判定しません。浸水の判定は、政府公式地図とcouncilのplanning certificateだけが行えるものです。下の検索は、皆さまをその公式地図へ案内するだけです。
浸水地図の3種類 — 混同しないでください
浸水情報には性質の異なる3種類があり、これらを混同すると判断を誤ります。地図を見るときは、今見ているものが3つのうちのどれなのかを、まず確認してください。
3つを区別する理由
『過去に浸水しなかった』は『今後も安全』という意味ではなく、『リスク区画に入っていない』が『洪水調査が完了した』という意味でもありません。3つを分けて見てはじめて正確になります。
- 過去の浸水範囲(historical、過去の浸水実績) — 実際に水に浸かったことがある場所です(例:ブリスベン 1974・2011)。ただし記録されていない浸水もあるため、『記録なし=安全』ではありません。
- 洪水リスク区画(hazard・planning overlay、都市計画オーバーレイ) — モデルで算定したリスク区域です。よく『1% AEP』(年1%の確率、いわゆる100年に1度の頻度)と表示されますが、これは『100年に1度』ではなく『毎年1%の確率』であり、2年連続で起こる可能性もあるという意味です。
自分の地域の浸水地図を探す
下で州(state)を選択すると、その州の公式浸水地図ビューアに直接つながります。地域名(サバーブ、suburb)を入力すると、コピーボタンでビューアの住所検索欄に貼り付けやすいようにお手伝いします。ほとんどの公式ビューアは独自の住所検索を備えているので、ビューアを開いたあと、その検索欄に住所を入力すればよいです。
AUWithは浸水に対して安全かどうかを判定しません。下で州を選ぶと政府公式地図につながります。賃貸・購入の決定前には、必ず公式地図とcouncilのplanning certificateでご自身で再確認してください。
州を選ぶと、その州の公式浸水地図のリンクが表示されます。
- まず州を選んでください。浸水地図は州ごとに異なる政府システムで提供されるため、お住まいの州に合った公式ビューアにつながります。
- 公式ビューアを開いたあと、住所・サバーブを検索してください。ビューアごとに検索方法は少しずつ異なりますが、たいていは上部に住所検索欄があります。
- リスク区画・過去の履歴・リアルタイム警報をそれぞれ確認してください。下のリンクは3つを分けて提供します(提供される種類は州ごとに異なります)。
地図で何を見るべきか
公式地図を開くと、色で区画が表示されます。下の4つを中心に見ればよいです。用語・表記はビューアごとに異なるので、各ビューアの凡例(legend)も合わせて確認してください。
1% AEPとは『毎年1%の確率で、この程度の洪水が起こりうる』という意味です(古い表現では100年に1度の頻度)。5% AEP(20年に1度の頻度)は、より頻繁に起こる洪水です。数字が大きいほど、より頻繁な洪水を意味します。
河川氾濫(riverine)、豪雨による地表氾濫(overland/stormwater)、沿岸・高潮(coastal/storm tide)は原因が異なります。ブリスベンのFAMのようにタイプ別に分けて表示するビューアもあるので、どのタイプのリスクなのかを確認してください。
一部のビューアは、想定される浸水の深さや水の流れの強さ(hazard category、危険度カテゴリ)も合わせて表示します。同じ『リスク区域』であっても、足首の深さと屋根の高さではまったく異なる問題です。
地図にリスク区画がなくても、安全が保証されるわけではありません。その地域の洪水調査がまだ行われていない可能性もあります。表示がない場合は、councilに『この住所に洪水調査があるか』を問い合わせてください。
賃貸・購入の前に追加で確認すること
地図でおおよそを把握したら、契約前に下記を必ず確認してください。地図はあくまで参考であり、法的・金銭的な判断の根拠となるのは公式な証書と専門家による確認です。
- Planning certificate(都市計画証明書)を取得してください — NSWでは、councilのs10.7 certificateが洪水関連の規制を教えてくれます。他の州でもcouncilが同等のplanning/property情報を発行します。購入時には必須で、賃貸時にも請求できます。
- 売買契約書・開示(disclosure)を確認してください — 州ごとに売主の開示義務が異なります。契約書の洪水関連の条項を、弁護士・conveyancer(不動産譲渡手続きの専門家)にレビューしてもらってください。
- 洪水保険(flood insurance)に加入できるか、保険料はいくらかを事前に確認してください — リスク地域では保険料が高かったり、洪水の補償(flood insurance)が対象外になったりすることがあります。契約前に保険会社から見積もりを取れば、実際のリスク度合いを間接的に確認できます。
実践上の注意点
浸水情報は読み違えると、安全と大きなお金がかかっています。下記の点には特に注意してください。
- 不動産広告の『浸水に安全』という表現を信じないでください — 販売・賃貸側の言い回しにすぎません。必ず政府公式地図とcouncilで照合(クロスチェック)してください。
- 古い地図・スクリーンショットを信用しないでください — 洪水調査とリスク区画は更新されます(例:『Flood Risk Overlay』の年度表記)。ブログに貼り付けられた古い地図ではなく、公式ビューアの最新版を見てください。
- 賃貸でも確認してください — 借主も、浸水時には家財の損失・避難のリスクを被ります。契約前に大家・不動産業者に過去の浸水履歴を尋ね、家財(contents、内容物)保険の洪水補償を確認してください。
参考リンク(浸水データは更新されるので、訪問時に最新版を確認してください)
- Bureau of Meteorology — Australian Warnings(新しいウィンドウで開く)
オーストラリア気象局(BOM、Bureau of Meteorology)の全国洪水警報・予報。今進行中、または差し迫った洪水警報を州別に確認してください。豪雨シーズンには、履歴地図ではなく、このリアルタイム警報を見る必要があります。
- Geoscience Australia — AFRIP (Flood Studies)(新しいウィンドウで開く)
Geoscience AustraliaのAFRIP — 全国の洪水調査カタログ。自分の地域にどのような政府の洪水調査があるかを調べられます(調査が行われた地域のみ掲載されます)。
- Digital Atlas of Australia(新しいウィンドウで開く)
Digital Atlas of Australia — 連邦政府の空間データ統合ハブ。洪水関連の全国データ(衛星観測による地表水など)を地図で見られます。専門的ですが、全国の概観に役立ちます。